健康と環境への気づかい

人の健康を気づかうことは
環境を気づかうこと

おいしさと長持ちを追求したから、肥料は使いたくないという結論に達しました。

世の中にある、おいしくするために肥料を使うという常識を否定することになりますが、しかたありません。

ずっと水を汚染し、環境を悪化させることにつながる方法を採用することは、
・ずっと続く未来につがらない
・家族の健康もない
・人の幸せもつづいていきっこない

ということになるのでよい方向性だとはいえないですよね。

肥料は、確かに成長は早くなり、甘さや味が濃くなるという結果につながります。
売れるためにはそうでなくてはならない。だから、「化学」でつくられた「人工的なもの」を肥料として使わないとだめだ、とかんがえているのが常識的な農業です。

「肥料→虫がつく→農薬を使う」
というループ(連鎖)

肥料は作物を大きくしたり、成長を加速させ、栄養を充実させることを目的に使われます。
充実した甘み、充実する栄養には虫が寄って来ます。それを殺し、充実した甘みや色形を保つために農薬を使用します。

つまりこれは依存です。

栄養があるからと言って、それをずっと食べ続けていたら一体、どうなるのか…?
これは、人に置き換えて考えてみると明白です。「それ」に慣れてしまって”離せなく”なる。わけです。

植物を扱う、事業としての側面をもつ農業でも同じようなことが起こります。
高く売るために。たくさん採るために。たくさん儲けるために。農薬を使う。

やがて農薬を使わない選択肢を失う…。

あたりまえのことですが、農家も事業なので儲からないと事業継続できません。
一般な農家事業というものは慣行農業(化学肥料・農薬を使って、生産性を高め収益を高め、事業を持続させる)が前提となるので、大型の資本なき農家は「有機JAS申請※」はできません。

ですが、濃果は地球や家族や、農業やおいしい、の未来へ向けて真にサステナブルな農業を目指し、試行錯誤とテストを繰り返してゆきたいと思います。

小さな事業体ながらも
持続可能な農業”を貫く

農薬なしの果実などは、甘みも大きさもいまいちなのでは?と思われるかもしれません。

たしかに近年の従来型農業とくらべ、農薬を使わないということは効率が良いとは言えないスタイルですが、何が違うかと言ったら製品寿命の違いが挙げられます。腐ったり、酸化したり、をできるだけ少なくするものは何かを追求したら、この方法にたどり着きました。

肥料→虫がつく→農薬というループを繰り返さなくても、ある程度の作物ができることがわかりました。

自然なものなので、当然虫はつきます。でも、手で取る以外は何もしません。
自分でも口にするもの…、大好きな家族や知人に食べてもらうためのもの…、そう考えると「安心なものを食べたい」という気持ちが何より優先します。

この気持ちを大切に、持続可能な農業を小さいながら貫くと決めています。

「農薬を使わないこと」は「生命力をひきだすこと」

おいしいって感じるのはどういうときでしょうか?甘い?酸っぱい?
食味のバランスのよいものを作るために、農家は日々努力しています。

毎日関わることはするのですが、植物が枯れないように本来の力を発揮できるようにする。
水やりや草取りをとおして、関わる。

そうやって関わることで、植物もまた「生きもの」として、次の世代へバトンタッチしてゆくため、育ち、実になり、食べてもらう、という自然な営みのループを回しだすのです。基本的な生命としての営みです。

農薬を使わない選択とは、人間の作り出す環境下(農場)ではあるけれど、本来植物がもつ「自然で基本的な生命力を引き出す」ことであると考えています。


※有機JAS認証とは?

有機JAS認証は、日本の農産物や食品が特定の有機基準に従って生産されていることを証明する制度。この認証は、化学肥料や合成農薬を使用せず、持続可能な農業技術を用いて生産された製品に与えられます。
認証を受けた製品は「有機JASマーク」を表示でき、消費者は有機製品であることを確認できます。この制度は、環境保全と健康志向の消費者ニーズに応え、信頼性の高い有機製品の提供を目指しています。

厳格な基準の遵守や、申請と審査プロセス継続的なコンプライアンスがハードルとなるため、小規模にスタートしている農家での取得は難しく、これを理由として当農園(濃果・島田ファーム)でも、JAS認証の取得はありません